巷の噂話でよくあるタンパク質のあれやこれやが本当なのか、今回3選に厳選させてもらい解説していきます٩( ᐛ )و
「タンパク質の摂りすぎで脂肪をため込んでしまう」説
タンパク質は、三大栄養素の一つで、1gあたり4kcalあることからこのような説が生まれたのかもしれません。
というのも、実際は、タンパク質を多く摂ると脂肪が燃えやすくなります。
その理由は、「食事誘発性熱産生」という代謝の働きに関係があるのです。
食事を摂ってしばらく経つと、栄養素が体内で分解される際に熱を起こします。この働きこそが、「食事誘発性熱産生」なのです。
食事誘発性熱産生によって、消費される三大栄養素の割合は、以下のとおりです。
・糖 質 約6%
・脂 質 約4%
・タンパク質 約30%
この結果から、タンパク質は熱として消費されやすく、糖質・脂質よりも体内に蓄積されづらいことがわかります。
つまり、脂肪になりづらい栄養素なのです。
「タンパク質の摂りすぎで骨がもろくなる」説
この説については、これまで、スポーツ医学や栄養学での議論によるもので、最近の検証結果では、プロテインによる高タンパク質の摂取が、骨の形成を妨げることはないということが明らかにされています。
つまり、タンパク質の摂りすぎで、骨がもろくなるというのは、考えづらいのです。
おそらく「骨がもろくなる」という説が出てきたのは、動物性タンパク質がもつ、消化される過程で生産される“酸”が原因になります。
この“酸”の特徴は、体内のカルシウムを尿中に排出する働きがあるため、骨の形成に影響があると言われています。
因みに丈夫でしなやかな骨を形成するには、カルシウムとタンパク質の二つの作用が必要となります。
「タンパク質の摂りすぎで腎臓に負担がかかる」説
この説は、よく耳にしますが、結論から言いますと、事実になります。
しかし、あくまで摂りすぎた場合での説となります。
実際に腎臓に負担がかかる過程として、摂りすぎたタンパク質を分解する際に出る窒素が原因となります。
窒素は、体外に排出されるためにアンモニアに変わり、アンモニアが体内では有害な物質と判断され、無害になるため肝臓に働きかけ尿素に変換され、腎臓を通過して排出されます。
この過程で、肝臓と腎臓に負担がかかていることが明らかになっていますが、摂りすぎなければ肝臓も腎臓も疲れることはありません(^_^;)
タンパク質の摂取目安として、一日に30分以上の運動をする人であれば、体重1kgあたり1gとして、約1.2〜2倍程度の摂取が目安となります。
一日30分未満の運動または、運動をまったくしない人であれば、約1倍程度で十分摂れているのです。
つまり、摂りすぎの基準は、その人の生活レベルで大きく変わります!!
ダイエット法も、健康法も、なんでも“やりすぎ”になってしまうと、かえって逆効果になってしまいます。
“やりすぎ”によって、人間がもつ制御機能が壊れたときに今回紹介した説が、現実味となっていくのです。