「3ヶ月前から夜中の2時に必ず目が覚めるようになってしまい、その頃から体重が増えるようになりました…」
この内容は、睡眠と体重増加の両方で悩んでいるお客様(Aさん:35歳男性会社員)の実際の相談内容です。
ちなみに、Aさんの食事量が3ヶ月前から増えたということはないそうです。
このように、そんなに食べていないにもかかわらず、体重が増えていくという相談は、よく受けることが多いです。
今回は、夜中に目覚めたとき、時計を見てはいけない理由について、解説していきます٩( ᐛ )و
食事量は変わらず体重が増える理由
なぜ、食事量は変わっていないのに、体重が増えてしまうのか?
この答えは、前置きのお客様の相談内容にある「夜中の2時に必ず目が覚める」にあります!!
お客様のAさんが起きた時間を正確に答えられるのは、目覚めたタイミングで、時計を見て時間を確認しているからです。
実は、夜中に目覚めたときに時計を見ると、同じ時間に起きるようになってしまいます(ノД`)
そこで、まずはじめに夜中に目覚めたときに時計を見ないようにする対策が必要となります。
これには、コルチゾールというホルモンが関わっていて、コルチゾールは起床準備のために、血糖値を高めていく性質があります。
また、コルチゾールには、言語化された時間によって分泌のタイミングが変わる、という性質もあります。
次項で、コルチゾールと起きるタイミングの関係について調べた実験を見ていきましょう。
分泌のタイミングが変わる「コルチゾール」について
実験内容は次のとおりです。
実験参加者に「6時に起こすよ」と伝えておいて朝6時に起こした場合は、1時間前の5時には、コルチゾールが高まり6時にピークを迎えました。
一方、同じ参加者に「6時に起こすよ」と伝えておいて実際には朝4時に起こすと、起こされた4時の時点でコルチゾールが急分泌されました。
この結果から、コルチゾールは、起床を設定した時間に合わせて分泌が高まり、その設定が変われば速やかに分泌のタイミングも変わることが明らかになりました。
ということは、起きる時間をあらかじめ設定しておくことで、狙った時間に起きられるようになるわけです。
そこで、新たに起きたい時間を3回唱えて眠る方法が試されました。
これは、『自己覚醒法』と呼ばれています。
新たな実験でわかった自己覚醒法とは!?
新たな実験で自己覚醒法を行ったところ、6割程度の人が翌朝は「スッキリ起きられた」と回答しました。
さらに翌日も行うと、「スッキリ起きられた」と回答した人は8割にも上がりました。
起きる時間をつぶやくという言語情報にコルチゾールの分泌が影響を受けるというメカニズムは、まだ詳しいことはわかっていませんが、実験からこの自己覚醒法は、かなりの割合で有効に働くことがわかりました。
そして、この自己覚醒法を誤って使ってしまったのが、「夜中の時計を見た」という行為です。
夜中に時計を見れば見るほど、コルチゾールによって起きる準備が整えられて同じ時間に目覚めるようになります。
これは誤ったプログラムなので、正しいプログラムに書き換えるために、夜中に目が覚めても時計を見ないようにしましょう。
最初は、時計を見ないことに違和感があるかもしれませんが、4日ほど続ければ、「なぜ用事もないのに時計を見ていたんだろう?」という気持ちになってくると思いますd(^_^o)