「疲れたら栄養ドリンクや眠気覚ましのドリンクを飲んで、なんとか持ちこたえています。
一日の食事量は、朝は食べないし、昼は軽食で済ませ、夜も仕事で遅くなるので、多くは食べないです。
でも、なぜか体重が減らないんです…」
このような相談をされたのは、仕事が忙しいBさん(30代女性・美容関係)です。
一日の食事量が少ないのに体重が減らない…
これには、栄養ドリンクに含まれている『カフェイン』が関係しているのです。
今回は、栄養ドリンクを飲み続けると、食べなくても太る理由について、解説していきます٩( ᐛ )و
カフェインと睡眠の関係
私たちの脳は、起きている限り、脳脊髄液の中に『プロスタグランディンD2』という睡眠物質がたまっていきます。
プロスタグランディングD2が充満するほど、『アデノシン』という物質が促進されます。
アデノシンは、神経を抑制する『GABA(ギャバ)』を促進します。
そして、GABAが脳を覚醒する『ヒスタミン』を抑制して、私たちは眠りにつきます。
少しややこしいですが、整理すると次の通りです。
プロスタグランディングD2→アデノシン→GABA→ヒスタミン→睡眠
このような過程になります。
カフェインは、この過程のうち、アデノシンがGABAを促進する部分をブロックしてしまうのです。
すると、ヒスタミンが減らないので、結果眠らなくなります。
しかしこれは、目が覚めたわけではありません。
カフェインのイメージとして、眠気を覚ますという印象が強いと思いますが、正確には、睡眠物質はたまったままなので、“ボーッ”としたまま眠れなくなるという状態になります。
当然、夜は深い睡眠が得られにくくなります(ノД`)
カフェインは、飲んでから脳に到達するのに30分かかり、いったん到達すると5時間は滞在することから、カフェインを飲むなら就寝5時間前までにすませましょう、というのが、睡眠の質を確保する一般的な注意事項になります。
カフェインの作用で太る理由
前置きに出てきましたBさんは、残業時に眠気覚ましのドリンクを飲むので、深い睡眠による成長ホルモンの分泌が少ないことが考えられます。
つまり、脂肪分解が進まないため、食べていなくても体重が減らないというのは、ここが原因なのです。
また、満腹ホルモンである『レプチン』は、ヒスタミンを媒介して食欲を抑制します。
カフェインによって、ヒスタミンが減らなくなれば、食欲は起こらないままです。
このことから、Bさんが一日を通してあまり食べない生活をしているのは、カフェインの作用が原因だといえます。