前提として、緩かな摂取制限をするとして、何を減らすべきかという問題がダイエットには、付きものですよね。
ごはんを抜くべきか、油物を抜くべきか…
今回は、糖質と脂質のダイエットについて、解説していきます٩( ᐛ )و
糖質と脂質の二つの特性
栄養学の分野では、糖質は1gあたり4kcal、脂質は1gあたり9kcalの熱量があると考えられています。ちなみに体脂肪は1gあたり7.2kcalの熱量ですから、体脂肪より脂質の方が少々熱量が多いです。
ちなみに、人間にとって大事なエネルギー源になる、タンパク質も1gあたり4kcalになります。
純粋な栄養素として糖質と脂質を比較した場合、脂質は糖質の2倍以上のエネルギー量を持っていることがわかります。
体はエネルギー量の多いものを蓄える方が生命を維持するためには断然効率が良いので、脂質の摂取を求めますd(^_^o)
これが、人が脂質の多い食物を美味しく感じる理由なのです!
また、糖質がエネルギー源として脂質よりも、大変優れている特性が一つだけあります。
それは、分解されやすく、すぐにエネルギー源になるということです。
糖質はすぐに体内で分解され、細胞のエネルギー源となるATPを速やかに供給してくれます。
逆に、脂質は貯蔵効率の良さに反して、燃焼しにくいので、最終的にATPを生成するまでに、かなりの手間がかかってしまいます(ノД`)
さて、「ATPって何?」という疑問があると思いますので、ここで簡単に説明します。
ATPとは、通称『化学エネルギーの通貨』ともいわれ、ATPこそが直接的なエネルギー源なのです。
つまり、ATPが供給されることによって、私たちのカラダの細胞が機能し、しゃべったり、歩いたりすることができるのです。
素早くエネルギーが得られる糖質と貯蓄効率がいい脂質
前項で、栄養素としての二つの違いを理解いただいたところで、糖質、脂質のどちらを減らすべきかを考えていきましょう!
カロリーの高い脂質を減らそうという理屈は、非常にわかりやすくて、動脈硬化を招くトランス脂肪酸(マーガリンなどの加工食品に含まれる)の存在もあり、脂質の摂取を抑えることは、間違いなく意味があります。
一方、低糖質ダイエットは、砂糖や炭水化物を減らしましょう!と、いうことですが、原理的には、少し複雑なのです。
「代謝されやすい糖質を制限し、代謝されにくい脂質を制限しないことが、最終的に脂質の代謝を高め、体脂肪を減らすことにつながる」
低糖質ダイエットの理屈は、このようになります。
低糖質ダイエットの提唱者であるアトキンス博士は、「糖質を摂取することは、余剰の糖質からの体脂肪の合成を助長する」と言っており、「低インスリンダイエット法」とも通じるところがあると考えられます。
糖質を摂ると血糖値が上がり、膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。
インスリンは血糖値を下げるために、血液中の糖質(グルコース)を筋肉、肝臓、体脂肪などの組織に取り込ませ、血糖の数値を元に戻します。
このインスリンの働きから問題となるのは、糖質(グルコース)が取り込まれる先には、筋肉や肝臓だけでなく、体脂肪も含まれるということです。
つまり、筋肉や肝臓に入り切らなかった糖質(グルコース)は、体脂肪として、どんどん合成されていくわけです。
一方、脂質の場合は、栄養素として吸収しても、そのまま脂肪細胞が働いて脂肪を合成するわけではないので、摂取制限は一切ありません。
むしろ脂質は、積極的に摂った方がいいという提唱もなされています。
オイル、ナッツなどの油の中には、老化防止に効果的といわれるビタミンEなどが含まれており、カラダの細胞を活発にしてくれるのです。
ハーバード大学の研究結果
それでは、実際のダイエット効果はどうなのか、ハーバード大学の研究結果によると、同カロリーで低糖質ダイエットと低脂質ダイエットの効果を比較したところ、低糖質ダイエットが6ヶ月で約2倍の体脂肪減量効果があったと明らかにされています。
しかし、この研究の期間を一年に延長したところ、最終的に両者の間に差がなくなることも明らかにされています。
つまり、まとめると、短期的なダイエットであれば「低糖質ダイエット」が効果的で、長期的なダイエットであれば「低脂質ダイエット」でも、同じぐらいの効果が見込めるということなのです(*^ω^*)