免疫細胞が病原体とたたかっているとき、私たち人間のカラダには、どのような変化が起きているのでしょうか?
多くの人が経験したことのある「風邪」を例に解説していきます٩( ᐛ )و
カラダの仕組みとウイルスについて
風邪という呼び方は、実は通称であり、医学では“風邪症候群”と呼びます。
風邪の主な原因は、風邪のウイルスに上気道(鼻やのど)が感染することです。
粘膜が風邪のウイルスに感染して、炎症を起こすと、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、咳、たん、発熱といった症状が出てきます。
もともと人間には、上気道、気管、気管支、肺に、常に空気が入るため、ウイルスや細菌といった空気中の異物に感染しないように防御する仕組みが備わっています。
口、鼻、のどの内壁の粘液で異物をキャッチし、繊毛運動(せんもううんどう)によって排出されます。
異物に感染した場合には、免疫機能が働いてカラダを守ろうとします。
細菌やウイルスを体外に追い出すためにくしゃみ、鼻水、咳、たんが出たり、粘膜が異物とたたかって炎症を起こすと腫れて、のどの痛みや鼻づまりといった症状が出ます。
また、免疫の活動が活発になると発熱が起こり、体温を調節する機能を刺激して、異変を全身に伝えます。
さらに、頭痛や筋肉痛、関節痛が起こることもありますが、このときは、ウイルスとたたかうために『プロスタグランジン』という物質が分泌され、痛みを引き起こしているのです。
実は、風邪のウイルスは200種類以上あり、原因ウイルスを探ることは難しく、困ったことに、ウイルスはどんどん変異するのです。
これにより、過去のウイルス感染で体内に免疫ができても、また新しいウイルスに感染してしまうのです。
何度も風邪をひいてしまうのは、このような理由が原因です。