小腸や大腸の管内には、食べたものだけでなく、想像できないほど大量の腸内細菌が存在します。
その種類は、1,000種類以上、100〜200兆個も存在し、重量にすると数kgにもなります。
つまり、体重の数%は、腸内細菌が占めているということです(福岡伸一「新版 動的平衡2」参照)。
大腸出口の肛門近くで便になりますが、腸内に存在する便の重さは約1kgあり、一回に排便される量は、通常150〜200gになります。
排便される便の約70〜80%が水分で、残り20〜30%のうち約3分の1が腸内細菌、そのほか、セルロース(炭水化物)など不消化の食べかすや、はがれた腸粘膜、老廃物などがあります。
水分が80%を超えると下痢を引き起こし、便が滞留し、大腸から水分が抜けすぎると便秘になります。
今回は、意外なほど多い腸内細菌について、解説していきます٩( ᐛ )و
善玉菌と悪玉菌の比率、腸内フローラ
腸内細菌のうち、『乳酸』『酢酸』『酪酸』など短鎖脂肪酸をつくる善玉菌(乳酸菌、ビフィズス菌、酪酸菌など)が全体の2割、焦げた魚などを分解する役割もありますが、主に腐敗を促進し、有害な『アンモニア』などを生じる悪玉菌(大腸菌、ウエルシュ菌、ブドウ球菌など)が1割、残りの7割は、状況(環境)に応じて善玉菌にも悪玉菌にも変わる『日和見菌』といわれています。
腸内細菌の状態は、食べものや運動、ストレス、睡眠状態などで変わるので、腸内環境を善玉菌優位の健全な状態に維持することが大切になります。
この腸内細菌の分布状態を『腸内細菌叢(そう)』『腸内フローラ(花畑)』と呼び、脳の神経伝達物質『セロトニン』『ドーパミン』の80%が腸内細菌によりつくられ、脳に運ばれていることが1980年代に明らかになっています。
つまり、腸内環境を整えることは、脳の活動、うつ病、認知症などに関係していて、これらは『脳腸相関』といいます。
また、腸内フローラが良好なら、免疫物質の多くやビタミン類、各種ホルモンが健全に生成されます(免疫学専門家 藤田紘一郎「最新!腸内細菌を味方につける30の方法」参照)。
気になる自分の腸内フローラの調べ方ですが、まずインターネットで検査申し込みを行い、資料と検査キットを取り寄せ、必要事項を記入し、検査キットに便を入れて送れば一週間程度で、結果およびアドバイスが返送されます。
ちなみに、健康保険適用外なので、料金の相場は2万円前後かかりますf^_^;