あまり世に知られていないのですが、脂肪細胞には、さまざまなホルモンを分泌し、カラダの機能を調整するといった働きがあります。
今回は、脂肪細胞が分泌するホルモンの影響について、解説していきます٩( ᐛ )و
「ぽっちゃり体型」より生活習慣病のリスクが高い「メタボリック体型」
脂肪細胞が分泌するホルモンには、通常だと、女性ホルモンと呼ばれる『エストロゲン』や食欲を抑え、エネルギー消費を増大させる『レプチン』、傷ついた血管を修復したり、糖や脂肪を燃やしたり、腫瘍の増殖を抑えたりする『アディポネクチン』など、カラダにいい作用を及ぼす『善玉ホルモン』を分泌しているのですが、脂肪がどんどん大きくなると、ホルモン分泌のメカニズムが狂ってしまい、善玉ホルモンの分泌量が減ってしまいます。
その代わりに、血糖値を上げ、糖尿病にかかるリスクを高める『TNF-α』や慢性炎症を引き起こし、がんや糖尿病、リウマチ発症の原因ともなる『IL-6』、血栓(血管内にできる、血の塊)を溶けにくくする『PAI-1(パイワン)』など、カラダに悪い作用を及ぼす『悪玉ホルモン』の分泌が増えます。
つまり、食べすぎによって、脂肪が過剰に増えると、悪玉ホルモンの作用により、
①血管の傷が修復されない
②血栓が溶けない
③腫瘍が増殖する
④血糖値が高くなる
といったことが起こりやすくなり、糖尿病、脳出血、脳梗塞や心筋梗塞、がんなどの病気を発症するリスクが高くなるのです。
なお、内臓脂肪は皮下脂肪に比べ、悪玉ホルモンを分泌しやすいことがわかっています。
つまり、「ぽっちゃり体型」の人よりも、「メタボリック体型」の人の方が、生活習慣病になりやすいといわれているのです。