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牛乳を飲むとお腹がゴロゴロになる理由
牛乳に含まれている糖質のほとんどは、『乳糖』と呼ばれるものです。
この乳糖を分解するには、『ラクターゼ』という酵素が必要になります。
生乳であればラクターゼは含まれていますが、加熱している現在の牛乳には含まれていないので、自分自身の酵素で分解するしかありません。
ところが、体内でラクターゼを持ち合わせていない『乳糖不耐症』と呼ばれる体質の人が日本には8割もいます。
そういった体質の人が、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする、下痢をするというのは、乳糖不耐症である可能性が高いのです。
乳糖は、母乳(生乳なのでラクターゼは含まれています)にも含まれていて、乳児への大事な糖分供給源になっています。
しかし、人間は離乳するとラクターゼの能力が自然に低下するのです。
もともとの乳牛の種類が腸に負担をかける原因である
乳糖不耐症以外に、牛乳を飲むと便秘や下痢など体調が悪くなる人がいます。
それは、カゼインというタンパク質が分解しにくいアミノ酸配列をしていて、腸の粘膜を傷つけて炎症を起こしやすいからです。
カゼインには、いくつかの種類があり、その中の一つに『βカゼイン』があります。
βカゼインには、さらにタイプが分かれ、『βカゼインA1』と『βカゼインA2』という二つのタイプが確認されています。
乳牛で一般的なホルスタイン牛は、牛乳の中にA1タイプとA2タイプの両方を出す系統とA2のみを出す系統に、遺伝的に決められています。
この中のA1タイプのカゼインが原因となって、腸に悪影響が生じ、牛乳を飲めない人がいるのです。
乳牛の乳は、もともとカゼインA2でしたが、約二千年前に北欧で乳牛が突然変異を起こし、カゼインA1を含むようになりました(代表的なのが「ホルスタイン種」です)。
日本の牛乳は、約99%がホルスタイン種であるため、残念ながらほとんどがA1タイプということになります。
牛乳は腸活以外にも避けたい理由
人間は、お母さんのおっぱいが出るタイミングは、当然赤ちゃんが生まれてからです。
しかし、牛の場合、現代の牛乳を生産する農業の75%以上は、妊娠牛からおっぱいを搾っています。
妊娠していますから、女性ホルモンである『エストロゲン』も自然に含まれています。
妊娠牛からの搾乳理由としては、大量に安く供給する必要があるため、ゆったりとした自然のスピードが許されません。
妊娠して出産後、搾乳しながらまた妊娠してという、毎年出産と妊娠を繰り返すことで大量供給を実現しています。
牛乳の中の女性ホルモンは、熱に強いため、加熱殺菌によって分解されません。
動物食品中の残留ホルモンはカラダに有害で、発がん性の可能性があり、特に乳がん、卵巣がん、前立腺がんに関連する可能性があるという研究報告もあります。
確かに、牛乳は、カルシウムやビタミンなどの栄養素が豊富に含まれていることも事実ですが、発がん性のリスクと比べたときに、デメリットのほうが大きいということもあります。
摂る際は、くれぐれも注意する必要があります。