筋トレに限ったことではありませんが、さまざまな運動をはじめる前には、必ずと言っていい程、準備運動が必要だとされています。
ストレッチをしっかり行い、カラダをほぐしてから運動をはじめるという流れが、一般的とされていた時期が長くありました。
確かにケガを防ぐために、ストレッチを行うことは、とても有効な手段だと思います。
しかし、その行為は、パフォーマンスを向上させることに、果たしてつながっていたのでしょうか?
今回は、筋トレ前にストレッチは必要であるのか、どうかということについて、解説していきます٩( ᐛ )و
最高のパフォーマスをするためには
ここ最近では、陸上競技の短距離レースを走る前に入念なストレッチを行う選手は、ほとんどいなくなっています。
その理由は、筋肉をゆるめ過ぎてしまうと、瞬発力を最大限に発揮することができないからです。
例えば、足首付近の筋肉を柔らかくし過ぎてしまったとしましょう。
すると、足裏でしっかりと地面を踏みしめたとしても、足首部分の粘力がそこなわれてしまっているため、うまくカラダ全体に力を伝えることができなくなってしまいます。
つまり、最高のパフォーマンスを発揮するためには、筋肉にほどよい硬さが必要だということになります。
これを筋トレに置き換えて考えていきましょう!
筋トレ前のストレッチをすると
筋トレをはじめる前にストレッチは、必要なのかという質問にたいし、僕の回答は「ノー」です。
その理由は、ストレッチを行うと筋肥大効果が減少することを、既に知っていたからです。
アメリカのルイジアナ州立大学において、次のようなことが実証されています。
同じ被験者が、静的に筋肉を伸ばす『スタティック・ストレッチ』を行った後と、行わなかった場合の両方で『レッグカール』という膝の曲げ伸ばし運動を披露がピークになるまで挑んだ結果、ストレッチを行った場合には、運動回数が24%も少なくなることがわかったのです。
また、ブラジルのサンパウロ大学での検証においても同様の結果が導き出されています。
従って、運動前のストレッチがパフォーマンスを低下させるのは、明らかなのです。
運動前のストレッチをルーティンとする人たちへ
二つの項目から運動前のストレッチがパフォーマンス低下につながってしまうということは、わかっていただけたと思いますが、そう言われても、長年ストレッチをしっかり行った後に筋トレを行ってきた人や、トレーニング前のウォームアップとして、ストレッチを行わないというのに、違和感を感じる人もいます。
そのような人たちには、一つの筋肉にたいするストレッチの時間を「30秒以内」にしてもらうよう提案します。
筋肉を伸ばして緩める時間を短く(30秒以内)抑えれば、運動パフォーマンスにそれほど影響することはありませんし、ケガを少しでも予防することができます。
この内容は、個人差があるので、参考程度におさめていただければと思います。