生命を維持するためには、呼吸をしたり、心臓が動いていたり、熱をつくって体温も保たなければなりません。
生きるために最低限必要なエネルギー代謝を「基礎代謝」と言います。
今回は、基礎代謝の高め方とその理論について、解説していきます٩( ᐛ )و
基礎代謝は、全体の約60%を占めている
基礎代謝は、どんなに活動的な人でも、活動代謝よりエネルギー消費量が多いというのが基本になります。
ちなみに、活動代謝とは、運動などのカラダを使った際に発生する代謝のことを指します。
通常の社会生活をしている人なら、一日の消費カロリーの約60%は基礎代謝によるもので、活動代謝が30%、食事誘発熱産生が10%との振り分けになります。
つまり、活動的な人でも、あまり活動的ではない人でも、基礎代謝によるエネルギー消費が60%を占めているのです。
一日のエネルギー消費を仮に2,000kcalとすると、そのうちの1,200kcalは基礎代謝に相当します。
基礎代謝をもし上げることができれば、効率よくエネルギー消費量が向上するのは明らかになります。
基礎代謝は、体重に比例するのか!?
基礎代謝量は、体重にほぼ比例しますが、ここで困った問題が発生します。
体重が重いほど基礎代謝が高いということは、ダイエットで体重が減ってくると、基礎代謝も減っていくということになります。
つまり、体重が減れば痩せにくくなってくるのです(ノД`)
ただし、もう少しよく見てみると、確かに基礎代謝量は体重に比例するものの、体重の内訳のうち、どの部分に比例するのかというと、実は筋肉の量に比例することがわかっています。
そうなると、筋肉が基礎代謝と、もっともきれいな比例関係であることから、筋肉量が多い人は基礎代謝が高いということになるのですᕦ(ò_óˇ)ᕤ
だから、筋肉を減らす食事制限だけのダイエットだと、わざわざ“痩せにくいカラダをつくり出している”ということになります。
基礎代謝量の測定は、かなり難易度が高い!?
基礎代謝量は、専門家でも測るのは容易ではなく、あくまで推定の推定の、そのまた推定くらいの数値になってしまうのです(ノД`)
基礎代謝量の測る基本は、酸素摂取量をもとにするのですが、筋肉量から推定することも可能です。
また、筋肉量は、体脂肪率から推し量ることができます。
しかし、市販されている簡易型の体脂肪計では、体脂肪率が朝と夜でかなり違ってしまったりといった誤差が大きいのです。
十分、目安にはなりますが、体脂肪率も筋肉量も、こうした測定ではあくまで推定にすぎません。
そのため、そこから導き出される基礎代謝もあくまで推定のさらに推定になります。
ただし、筋肉量が増えれば基礎代謝が上がるというのは確かです。
筋肉量1kgあたり50kcalは本当!?
一定期間、筋トレを行う実験によると、筋肉が1kg増えると、一日あたり50kcal程の基礎代謝量が増えるとされています。
しかし、実際に人のカラダを使った次のような実験では、もっと低い数値しか出ませんでした。
その実験とは、筋肉に血液が入ってから筋肉を通って出てくるまでの間(入口と出口の両方で採血して)、その筋肉でどれくらいエネルギーが消費されているかを測定するという内容になります。
この実験では、筋肉1kgあたりにつき一日で20kcal程の代謝量という数値が出ました。
実験結果から20〜50kcalの幅があると解釈するのが、安全なのかもしれませんが、筋トレによる交感神経の活性化によるプラス分もあると考えられますので、筋肉量1kgあたり50kcal程度の代謝量になるという解釈で問題ないと思いますd(^_^o)
筋肉量と基礎代謝の関係
さて、なぜ筋肉は、基礎代謝を上げる働きをするのかということですが、筋肉が熱を出しているからなのです!
ちなみに、筋肉がカラダの熱量の約60%を占めています。
つまり、このことからカラダの中で筋肉は、最大のエネルギー消費者ということになります。
だからといって、筋トレをはじめても、すぐに筋肉量が増えるわけではありません。
それでも、交感神経の活動がよくなるという効果があり、これがダイエットのためには、かなり大きいことなのです。
肥満の一因に「交感神経の活性が低い」ということがありますが、筋トレによって交感神経が活性化されるため、やりはじめの初期段階で全く効果がないわけではありません。
それでも、筋トレを続けた結果、数ヶ月後に筋肉量が2kg増えたとしたら、一日あたり100kcal代謝が上がったことになります。
この100kcalは、運動したり食事制限したりして減るものとは、根本的に違うので、消費しようと意識しなくても消費される分になります。
一年は365日ですから、365倍して36,500kcalという計算になるので、約5kgの脂肪が自動的に一年で減るというのは、決して過言ではないでしょう。