自分のコントロールを超えて食べてしまい、食べる行動自体に依存してしまう現象を「過食症」といいます。
この病気の治療目標は、「二度と食べないようにする」ではなく、「食べるという行動をコントロールする」になります。
そのため、「明日は違う自分になれるはず」という事実に基づかない設定をしないのがポイントです。
今回は、食べすぎから抜け出す方法について、解説していきます٩( ᐛ )و
依存症を抜け出すには、他の人と話をすること
過食症の治療の最終目標は、食べるという行動のコントロールができるようになり、本人が幸せになることです。
依存的、強迫的に食べているときには、食べているときが一番幸せだ、と思っている場合が多いですが、その幸福感を自分が本当にやりたいことへのエネルギーに変えることができれば、食べて吐いてまた食べるという悪循環から抜け出すことができます。
どんな依存症でも、予防法として重要なのは、その依存対象について、他の人と話をすることです。
振り返ってみると、食べることでも、アルコールでも、ギャンブルでも、依存的になってしまうときは「隠れてこっそりやる」という環境が拍車をかけています。
他の人と話をすることで、自分自身では気づかない価値基準を知ったり、視点を切り替える機会を得たりすることができるのです。
ここで、注意しておきたいのですが、他の人と話をするとは、「もう食べない」「今年こそ絶対やせる」と宣言することではありません。
「食」について、どんなことに関心があるのか、食べることにまつわる何に魅力を感じるのか、一連の食べる行動で何が自分を惹きつけているのかということを言葉にしてみるということです(*^ω^*)
私たち人間は、ただ食べものを噛んで飲み込み、エネルギーに変換しているわけではありません。
食べることを通じてさまざまな文化を生み出し、さまざまな楽しみ方をしています。
「食」にまつわる言語化を試みてみよう
過食症のように依存的に食べてしまっているときには、食べものを限界まで口に入れて吐く、という原始的な行動だけを感覚的に繰り返している場合が多いです。
食べることに執着しているわりには、あまりにも、食べる行動に関して表面的な態度で臨んでしまっています。
そのことに気づくきっかけとして、「食」にまつわる言語化を試みてみましょう。
どんな食べものが好きなのか、どんな味や食感がするのか、どんな組み合わせが味を引き立てるのか…
このような内容をできるだけ自分の言葉で表現してみましょう。
その際、味だけではなく、食感を言葉で表してみることで、非常に有効になります。
食感が言語化されると、口の中の触覚や噛んだときのあごの力の入り具合である固有感覚が言葉と結び合わされて、より食べる感覚が立体的に認識されます。
サクサク、ふわふわ、ネバネバなど、食品の歯触りや舌触りなどの食感を表す用語はとても多いです。
このことを『テクスチャー』と呼びます。
私たち日本人は、このテクスチャーの用語を非常に多く使えるのです。
日本語のテクスチャー用語を収穫した調査では、その数445語にのぼっています。
ちなみに、他の言語と比べてみると、フランス語では226語、中国語では日本語の約35%の数だったそうです。
せっかく豊かなテクスチャー用語を使う文化を持っているわけですから、これを最大限に利用して、食感を感覚にとどまらず言語情報として、脳に記憶させて置くことをオススメしますd(^_^o)