エネルギーを消費だけして摂取しないという極論は、もちろん不可能だと思います。
だから、どのように摂取エネルギーより消費エネルギーを増やすかということが、ダイエットでは肝になります。
工夫して、なんとか「エネルギーの赤字」を作っていきましょう!というのが、ダイエットの手法における基本的な考え方です。
今回は、個人に合わせた摂取エネルギーと消費エネルギーの組み合わせについて、解説していきます٩( ᐛ )و
エネルギーの赤字をつくる戦略について
上手に「エネルギーの赤字」をつくることができれば、体脂肪を減らしていくことができます。
そのため、「エネルギーの赤字」をつくるためには、三つの戦略が考えられます。
戦略1:エネルギーの摂取量を減らす
戦略2:エネルギーの消費量を増やす
戦略3:1と2を組み合わせる
結論から言いますと、戦略3が一番効果が高いです!
しかし、実際は、個人の置かれている状況によって、とるべき戦略は変わってきます。
個人の肥満状態、年齢、体力、生活習慣によって違いがありますので、無限に組み合わせることができるのです。
次項では、それぞれの戦略について深掘りしていきます。
運動だけでエネルギー消費を増やした場合
まずは、戦略2の「エネルギー消費量を増やす」から解説していきます。
例えば、運動によってエネルギーの消費量を増やすのは、無条件に良いことでありますが、問題なのは、ほとんどの人が過剰な期待をしてしまうことにあります。
一時間のジョギングを時速6kmでゆっくり走って、たっぷり汗をかいたと仮定しましょう。
感覚的には、ジョギング前よりカラダも軽くなりますし、脂肪もかなり減ったのではないかと思ってしまうものです。
しかし、実際は、感覚とは大きく隔たっているのです(ノД`)
運動による消費カロリーは、体重によって異なりますが、例えば、体重60kgの人の場合、6km走ると約360kcalの消費量になります。
つまり、軽いジョギングによる消費カロリーは、体重(kg)×距離(km)で計算することが可能です。
360kcalはそれなりの数字ですが、これを脂肪に換算させると微々たるものになってしまいます。
1gの脂肪を燃やすには、7.2kcalが必要ですから、360kcalを7.2で割って、50gの脂肪が落ちたと言いたいところですが、運動や基礎代謝で消費されるエネルギー源は、『脂肪5:糖質5』の半々が基本です。
つまり、50gの半分の25gしか体脂肪は消費されていないという計算になるのです。
一時間も走って、いっぱい汗もかいたのに「これだけ痩せたんだぞ!」と言いたいところ、25gの脂肪燃焼では、ちょっと少ない…という感覚は、わからないでもありません(^_^;)
たとえ25gでも、なかなかの成果だと考えていただくしかないのです。
最初から運動で落ちるのは、この程度とわかっていれば、急激に落としたいという欲求もなくなるのではないでしょうか?
続けることが大切で、そのための目標設定が肝心です。
食事制限だけのエネルギー消費を減らした場合
続いて、戦略3を解説していきます。
戦略3は、戦略2の運動に戦略1の食事制限を加え、可能な範囲で、摂取量も減らそうという戦略になります。
そして、問題は戦略1の「エネルギーの摂取量を減らす」です。
戦略1は、食事制限ということで、消費エネルギーの赤字をつくるために摂取分を減らそうという考え方になるわけです。
摂取量を減らせば、エネルギーの収支がマイナスになりますから、理にかなってはいます。
間違いなく体脂肪も減ります。
ダイエットというと真っ先にこの摂取エネルギー減少戦略に目がいってしまいがちですが、食事量を減らすだけで脂肪を減らそうというダイエットは、運動が危険な場合や、運動ができないくらい太っている人のみが対象です。
なぜなら、食事制限だけのダイエットは、思惑どおりに脂肪を落とすことができても、同時に筋肉も落ちてしまう、という結果になるからです。
これが大問題なのです。
筋肉が減るということは、基礎代謝が減るということにつながりますので、以前よりも太りやすい体質に自らつくっていくということになるのです。