読者のみなさんは、テレビやインターネット、SNSのグルメ情報に加え、街中でも「〇〇ランキング第一位」「三日間で○万食売れました」という看板を見かけることが多くありませんか?
ハロー効果をさらに拡大させると、その食べものを得るための「競争」が生じます。
この「競争」によって、食べものの価値を上昇させることが明らかになっています。
今回は、競争によってムダなものまで食べてしまうについて、解説していきます٩( ᐛ )و
競争による食べものの価値の上昇について
そもそも食べものにありつく、という行為は、私たち人間にとって、生存競争に勝つための行為なのです。
ただし、生存が危ぶまれていないにもかかわらず、食事に競争の要素を添加すると、生理的には不必要なものを食べすぎてしまいます。
過去に、競争が脳に与える影響を明らかにした実験があります。
そこでは、2頭のサルに、ゲームに勝ったらジュースをもらえて、負けると何ももらえない、という条件で対戦型のシューティングゲームをさせて、そのときの脳活動を調べたという内容です。
サルの前頭連合野外側部(行動選択に関わる部分)は、ゲームに勝って報酬を得たときのほうが、それ以外で報酬を得たときより活動が高まりました。
これには、競争相手がいるという条件が関係していると考えられています。
例えば、ラーメンが食べたいと思って、ラーメン屋を探し、その店先にできた行列を見ると余計にそのラーメンが食べたくなるという経験はあるのではないでしょうか?
これこそが、競争相手の存在で報酬の価値が上昇した現象です。
競争という設定により、その食べものが得られればよりうれしく、得られなければより悔しくなるように脳が働いているのです。
まさに脳に食べさせられている現象といえるでしょう。