食事内容に関係なく血糖値を上げてしまう、絶対に避けたい行動をお伝えします。
それは、「休日の寝だめ」になります。
今回は、「休日寝だめ」はうつ状態を引き起こすについて、解説していきます。
血糖値を上昇させるホルモン「コルチゾール」
休日に寝だめをすると、食事の時間帯がずれるだけでなく、血糖値が高くなります。
この血糖値上昇には、『コルチゾール』というホルモンが関係しています。
腎臓の上に、プルーンのような形をしてくっついている『副腎』という臓器があります。
この副腎は、4つの重要なホルモンを分泌する役割があり、その4つとは、『コルチゾール』『アルドステロン』『アドレナリン』『ノルアドレナリン』を指します。
今回の内容に関係するコルチゾールは、コレステロールを酵素で代謝することでつくられていて、血糖値を上昇させる作用があり、足りなくなると低血糖になることから、「糖質コルチコイド」と呼ばれています。
コルチゾールのピークは起床直後
コルチゾールには、生体リズムがあり、一日のうちで分泌されやすい時間帯があります。
もっとも分泌が高まるのは、起床直後です。
「朝起きる」ということを物理的に考えますと、横になったカラダを縦に起こすということになります。
横になっていたときに水平になっていたカラダの中の水分は、縦になって重力が頭側からかかると、足元に下がります。
これでは、朝起きたときに脳が働かないので、起きたときに脳に血液とエネルギー源である糖分を届けるためには、血圧と血糖値を高める必要があります。
これをコルチゾールが担ってくれるのです。
コルチゾールは、私たちが普段起床している時間の三時間前から徐々に分泌が高まり、起床一時間前になると急激に高まって、起床したら急速に低下する、というリズムを持っています。
普段の起床時間によって分泌時間が変わるので、コルチゾールは「時間依存性のホルモン」といわれています。
脳にダメージを与えるコルチゾールの生体リズムについて
平日も休日も朝6時に起床するという生活をしている場合、コルチゾールは、夜中の3時から分泌が高まり起床準備がはじまり、朝5時から急激に分泌されて朝6時を迎えるので、この場合は、問題なくスッキリと起きられます。
血液中に増えた糖分は、脳に取り込まれるので、血糖値は下がります。
しかし、朝6時起床のリズムができているのに、休日の昼11時まで寝だめしていたら、どうなるでしょうか?
コルチゾールは、普段どおり夜中の3時から高まり、朝5時からさらに高まりますが、ここで起床しないのでいったん低下し、分泌が保たれながら最終的に起きた昼の11時にピークを迎えます。
この場合は、コルチゾールの上昇と低下の差が少なくなったため、起床した後もコルチゾールが残ってしまいます。
そして、休日明けの朝6時にいつもどおり、目覚まし時計が鳴ったとしましょう。
コルチゾールは、一日中高い値が続いたので「ホルオスタシス」の仕組みによって、ピークになる波も低くなり、朝6時になっても、十分な準備が整いません。
ここで目覚まし時計の音で強制的に目覚めさせられると、コルチゾールは、準備不足の穴埋めをするかのように急激に分泌されます。
コルチゾールが低下せずに日中に残ったり、朝に急激に分泌されたりすると、脳には強い負担がかかり、特にコルチゾールをキャッチする受容体が多い『海馬』という部位に大きく影響します。
この海馬は、生物の記憶を司っています。
つまり、受容体よりもはるかに多く分泌されたコルチゾールは、海馬の神経細胞を死滅させ、これが、うつ状態を引き起こすのです。
起床時間を合わせてうつ状態を予防
休日の寝だめを「休んで体力を回復させるため」と思い込んで続けてしまったら、脳はダメージを受け続けてしまいます。
血糖値が上がるうえに、脳にもダメージを与えてしまうので、これでは、ダブルパンチですよねf^_^;
まずは、平日と休日の起床時間の差を、三時間以内に収めてみましょう。
実は、平日と休日の起床時間の差が三時間以内に収まっている人の中に、メンタル不調者はほとんど見られず、反対に、メンタル不調者は、起床時間の差が三時間以上になっている人に多く見られたのです。
休日に早く起きるのが大変であれば、いったん目が覚めたタイミングで、少しだけ頭を起こしてから二度寝してみてください。
すると、いったん頭が横から縦になるので、それほど長く二度寝することはありません。
そうすることで、休日も平日と同じ時間に苦痛なく、起きられるようになりますd(^_^o)